今月のJivamukti Yogaのテーマは“What Is Strength?” 強さとは何か
今月のマントラ
パタンジャリのヨーガ・スートラ 3章24節
maitrī-ādiṣu balāni
慈悲、親切心、そして思いやりを持つことで真の強さはやって来る。
「強さ」という言葉を聞くと、私たちは一般的に初めは身体の強さ(体力)について考えます。
強さはまた、精神的および感情的なものを含む様々なプレッシャーに耐えることができるという点で、ある程度の安定性(Sthira: スティラ)を伝えます。
体力は確かに役に立ちますが、ここでは精神的、道徳的、精神的な強さに焦点を当てています。
ヨーガ・スートラの2章33番のパタンジャリの指示に従い、私たちは貪欲、嫉妬、憎しみ、恐れという低レベルな本能を、善い行いと親切な言葉に置き換えることで乗り越える練習をします。
そのような選択が私たちにより多くのエネルギー、幸福、そして内なる強さを与えてくれることに最初は驚くかもしれません。
強さに関連する別の言葉は力(パワー)です。これは、ある特定の状況へのエネルギー、動力、方向に影響を与える可能性を意味します。
ヨーガスートラの文脈では、異常な知覚と超常的な力-(シッディ)を持っていることを意味するかもしれません。愛の力によって集合体(身体)にプラスの影響を与えていることを過小評価していけません。
グローバルコミュニティとして、私たちは人生で最も奇妙で最も挑戦的な年の1つを経験したことは確かです。
私たちの多くは、命の脆さ、愛する人への喪失感、生きることへの根本的な問い、そして免疫システムを強化するために最善を尽くすことに直面していますが、それでもCovid-19に感染する可能性はあります。孤独感によるメンタルヘルスの問題も数多く存在しています。
Covid-19は私たちにとって、すべての生きとし生けるものは世界的規模で相互に関連し依存していることに気づき、思いやりを持って積極的に変化を起こすという特別な機会を与えてくれました。
暴力と市民の不安は、貪欲、恐れ、怒り、陰謀説、そして社会正義の要求に駆り立てられて、世界中で続いています。
ワクチンをめぐる政治と、最も弱き者たちへの継続的な人間性の否定と権利の剥奪は、多くの不必要な障害を生み出しています。
一方で私たちは、今特にシステムが機能しなくなり、人々が命の危険にさらされているインドのシク教徒のコミュニティから、個々の英雄的な行動に触発されています。
Sevadar(セヴァダー)達はGurdwara(グルドワラ:シク教徒の寺院)をOxgen Langers(オキシジェンランガー)に変え、病人を運び、Covid-19より亡くなった方の遺体を火葬しています。
セヴァの伝統のもと、彼らは助けた見知らぬ人をも彼らの親族として見ているのです。
彼らは想像を絶する苦しみと絶望に直面しながら、24時間体制で、奉仕という力を与えくれるグルの古くからの教えに従っています。
スートラの3章24節は、1章33節の拡張版です。それは、私たちが幸福、思いやり、喜び、そして平静を育めば、混乱、寡黙、そして復讐にエネルギーを消耗することを防いでくれることを明らかにしています。
代わりに私たちは心の安らぎを得ることができるし、自身のエネルギーに焦点を合わせることで、特に不利な状況に直面した時に内なる力は育ちます。
パタンジャリはヴィブーティパダでサダナパダの実践を構築すること、そしてダーラナ、ディヤーナ、サマーディの統合を意味するサンヤマについて語っています。
サンヤマを親切心と思いやりを持ってマスターすることで、人は普遍的な愛と優しさを真に具現化します。これ以上揺らぐことはもうないのです。
スワミニルマラナンダが『森の花のガーランド』でとても美しく言っているように、人は灯になるのです。
【参考資料】
・パタンジャリのヨーガ・スートラ
第2章33節
vitarka-bādhanepratipakṣa-bhāvanam
否定的な想いによって心が乱れた時は逆の発想をもって乗り越える
第1章33節
maitrī-karuṇā-mudito-pekṣāṇāṁ sukha-duḥkha-puṇya-apuṇya-viṣayāṇāṁ bhāvanātaś citta-prasādanam
他者の幸せを喜び、他者の不幸を憐れみ、徳のある者を讃え、不徳な者に無関心であること。これだけで心は乱れることなく静寂を保つ。
・Oxgen Langers(オキシジェンランガー)
Jivamukti Yoga focus of the month June,2021より
今月は「強さとは何か?」
まだまだ、世界中が混乱している中、
どんな困難な状況にあっても、
他者を思いやり行動にできる人々がいる一方、
他者から搾取したり、
困難な状況を利用して優位に立とうと考えたりする人もいます。
私たち一人ひとり今できることは何なのか。
それを今一度考え、そしてこの世界について考えるいい機会なのかもしれません。
今、自分が行っている事は思いやりがある行動なのか、
それとも自分の為なのか。
より深く観察し、思いやりをもって接することができるような状態を自分自身で作っていく練習をしましょう。
アーサナの実践、呼吸法、瞑想を行い強くてしなやかな身体と心を作り今自分をとりまく生活環境に柔軟に対応できるようにしていきましょう。
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