5月のテーマ “RESTRAINING AND RELEASING: STAGES OF AHIṂSĀ” 「抑制と解放:アヒムサ」

Jivamukti Yoga

今月のマントラ

सर्वे भवन्तु सुखिनः 
सर्वे सन्तु निरामयाः।
सर्वे भद्राणि पश्यन्तु
मा कश्चित् द्दुःखभाग् भवेत्।।

sarve bhavantu sukhinaḥサルヴェ ヴァヴァントゥ スキナハ
sarve santu nirāmayāḥサルヴェ サントゥ ニラマヤーハ
sarve bhadrāṇi paśyantuサルヴェ バドラニ パッシャントゥ
mā kashchit duḥkha bhāgbhavetマー カスチット ドゥフカヴァ ヴァヴェートゥ

アヒムサ(害を与えないこと)は、私たちをヨガに導く実践であり、”抑制”またはヤマ、つまり害を与えないように我慢したり抑制したりする実践に分類されます。

抑制という考え方は、私たちの思考、言葉、行動の中に、すでに無意識のうちに害を及ぼしていた可能性があることを示しています。

最初のステップは、自分の行動が他者に与える影響をはっきりとした目で見ることです。

それは、自分自身を深く、明確に、正直に、そして謙虚に振り返ることを意味します。

まずは、私たちの生活の中で最も表立って行っている害、つまり行動によって生み出される害を減らす努力をすることから始めましょう。

これは練習であり、意図と一貫性を持って同じ行動(または抑制)に何度も戻ることを意味します。

それは完璧を意味するのではなく、新しい、望ましい習慣を維持できるようになるまで、努力をし、持続する意思を意味します。

練習するにつれ、私たちはより内側に向かうようになります。

行動を超えて、言葉や思考、さらには害を及ぼす動機の最も深い根源にある信念や態度にまで踏み込んでいくのです。

害を及ぼす動機はどこから来るのか?私たちが新しい習慣を始めるとき、ある程度の不快感があることがあります。

シュリ・ブラマナンダ・サラスワティは、「高次の欲求に低次の欲求を服従させることをヨーガと呼ぶ」と言っています。

より良い世界を実現したいのであれば、私たちは、不快感を感じ、習慣や目先の欲望、文化的に条件付けられた行動の流れに逆らうことを避けないということです。

少し不快になることを嫌がらないことが、最初の一歩です。

しばらくすると、有害な行動をあきらめることは、自制のように感じられなくなり、むしろ人生を肯定し、私たちの最も内側にある価値観と一致するように感じられるようになります。

それはもはや不快な感覚ではなく、喜び、愛、そしてすべての生き物を向上させる行為となります。

ある時点で、アヒムサは内側に向かう「抑制」から、その反対の「解放」「自己の拡大」へと変化します。

ジュリア・バタフライ・ヒルは、「アヒムサとは、他のものが存在する余地がないほど、完全に、現在進行形で愛の中に生きることである」と述べています。

練習が成長し拡大するにつれて、アヒムサは害を抑制するための練習ではなく、善を創造するための練習として、より重要なものになっていきます。

アヒムサは単なる「ノー」ではなく、生命の網を育むための内なる「イエス」なのです。

不必要な害にノーと言う気持ちが、善を増やすことへのイエスに変わるとき、私は誰なのか、何なのかという感覚が広がっていることに気がつくかもしれません。

私たちは孤立して存在するのではなく、存在するすべてのものに相互依存しています。そのことを深く考え、自分の存在を可能にしている存在の総体について熟考してください。

ヨギーの感覚では、解放や自由は、存在から孤立した個人には存在し得ません。

全ては全てのためにあり、ヨギはその全てを理解するのです。

私たちが通常自己と考えるもの、つまり私たちの身体や心を超えたものとして、ヨガでは自己を拡大的に理解しようとしているのです。

他の人たちだけでなく、私に呼吸を与えてくれる大気の源である植物、その植物に受粉する蝶、蜂、蛾、カブトムシ、コウモリ(そうコウモリです!)も含めて「私」という感覚を広げていくのです。

蒸発して空に海を作り、雨に変えてくれる川や海、蒸発を作り、多くの人にエネルギーを供給してくれる太陽。もし私たちが十分に拡大し、生命の網とすべての分子、鉱物、元素、存在の間の相互関係を熟考するならば…私でないものは何もないのです。

セルフケアという概念は、すべての生命を支える空気、水、土、生態系へのケアであるセルフケアへと根本的に転換するのです。

ジヴァムクティでは、地球とのつながりとしてのアーサナの意味を大切にしています。

身体的な実践の中で、安定した喜びのある形を培うように努めています。

別のレベルでは、これまで知られていなかったつながりや関係性を研究すること。地球との関係を癒すことは、私たちの環境を尊重し、育むことを意味します。

シャロン・ギャノンはよくクラスで、ヨガの練習方法として「鳥に餌をあげる」ことを提案していました。文字通り鳥である必要はなく、誰かに栄養を与える練習を毎日するということです。

彼女の提案は、私たちの日常生活の世界に目を向け、私たちの共有スペースがもはや地球上の仲間のための場所だということを確認することでした。

都市が生み出す害をすべて取り除くことはできないかもしれませんが、私たちの周りにいる生息地を失った動物たちに毎日お布施をすることは可能です。

例えば私たちは現在のこのエスカレートする気候問題を考えた時、諦めや絶望感を感じるかもしれません。

もし自分自身を「個々の存在」だと考えるなら集団で取り組むことを思いつかないでしょうから、「自分自身がいくら頑張っても無駄」と感じるのは普通です。

現代社会においては、活動主義や変革について語る時でさえ「個々の行為、個人」を取り上げることはよくあります。

でも、実際は個人活動だけでは大きな変革は起きることはまず無いし、実際は、多くの思想家・社会活動家・コミュニティビルダー・変革者達が (時には実際協力し合い、時には個別に同時並行で活動しながら) 文化的な意味で “一つの共同体として集団活動“ することで大きな変化をもたらします。

私たち個々の行動もそういう社会環境を構成する一部であり、あなた自身の行動も社会変化をもたらす事ができるのです。

Jivamukti Yoga focus of the month May 2022より

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